なぜ教育型サロンの経営は苦しくなるのか?~それでも私たちは人を育てる~
【第2章】
▶序章 第0話~第3話こちら
▶第1章 第1話~第5話こちら
第1話 なぜ利益が残らないのか?
第2話 美容室は“人”で利益構造が変わる
第3話 「忙しいのに苦しい」サロンの共通点
第4話 生産性とは「効率」ではなく「価値」
第5話 「少ない人数で高い価値」を生む組織へ
「売上は去年より上がっている。それなのに、なぜか経営は楽にならない」
サロン経営者から、そんな声を聞くことがあります。
スタッフも頑張っている。
お客様も増えている。
売上も上がっている。
それなのに、利益が残らない。
なぜなのでしょうか。
一つの理由は、私たちが「売上を上げること」を経営のゴールにしてしまいやすいことにあります。
もちろん、売上は大切です。
お客様から支持されなければ売上は生まれませんし、売上がなければ給与を払うことも、会社を存続させることもできません。
しかし、売上とはお客様からいただいたお金の総額であって、そのすべてを自由に使えるわけではありません。
材料費がかかる。
家賃がかかる。
広告費もかかる。
そして美容室では、何より人件費がかかります。
特に教育型サロンでは、今の売上だけを見て人を配置しているわけではありません。
まだ十分な売上をつくれないアシスタントを雇用し、給与を払い、先輩が時間を使って技術を教える。
つまり、未来の売上をつくるために、今のお金と時間を先に使っているのです。
だから教育型サロンでは、売上が伸びていても、それ以上に人や教育への投資が増えれば、利益が残らないことがあります。
ここで大切なのは、
「だから人件費を減らそう」
という話ではありません。
人を育てることをやめれば、教育型サロンそのものが成立しなくなります。
考えなければならないのは、
「その売上を、どのような構造で生み出しているのか」
ということです。
例えば、同じ月商400万円でも、その400万円を何人で生み出しているのかによって、残る利益は変わります。
また、今は利益が少なくても、その人員が将来の成長に必要な先行投資であれば意味があります。
反対に、明確な目的がないまま人が増え続けているのであれば、売上が増えても経営は苦しくなっていきます。
つまり見るべきなのは、売上という「結果」だけではありません。
その売上を生み出している人、時間、コストまで含めた「構造」です。
売上が上がっているのに利益が残らない。
その原因をスタッフの頑張り不足に求める前に、まず経営側がこの構造を見る必要があります。
では、美容室の利益構造を大きく左右するものは何なのでしょうか。
次回は、教育型サロンだからこそ避けて通れない「人」と利益の関係について考えていきます。