2026年6月25日

【第1話】お客様って新キャラですか?|なぜ教育型サロンの経営は苦しくなるのか? ~それでも私たちは人を育てる~

序章 ~「働く意味」を育てなければいけない時代~

美容業界では昔から、
「お客様のために頑張ろう」
という言葉がよく使われてきました。 

もちろん、この言葉自体は間違っていません。 

 

美容の仕事は、お客様に喜んでいただく仕事です。
髪型が変わることで、自信を持てる人もいます。
落ち込んでいた気持ちが前向きになる人もいます。
人生の節目を美容室で迎える人もいます。 

だから美容の仕事は、単なる“作業”ではありません。
人の人生や感情に関わる仕事です。

しかし今、この言葉が以前ほど自然に伝わらなくなっているように感じます。

それは若い世代が悪いのでしょうか。
私は、そう単純な話ではないと思っています。 

考えてみれば、私たちは小さい頃から、
●親の言うことを聞きなさい
●
先生の話を聞きなさい
●
友達を大切にしなさい
とは教わります。 

 

しかし、 

「お客様を大切にしなさい」
とは、ほとんど教わりません。 

つまり社会に出るまで、“お客様”という存在と本気で向き合う経験が少ないのです。 

だから美容学校を卒業し、社会に出た途端に、
「お客様のために頑張ろう」 

と言われても、
「そもそも、お客様って何ですか?」 

となってしまうのも無理はありません。 

 

しかも今の若い世代は、SNSで毎日のように“カスハラ”の記事を見ています。 

理不尽なクレーム。
怒鳴るお客様。
炎上。 

その情報ばかりが流れてくる。
すると、お客様という存在が、 

「感謝される相手」 

ではなく、 

「怒らせてはいけない相手」 

になってしまうことがあります。 

 

つまり、“畏怖の対象”として認識されてしまっているのです。
しかし本来、お客様とはそういう存在だけではありません。 

お客様とは、
自分たちにお金を払ってくださる存在であると同時に、
「ありがとう」
という“心を支える報酬”を与えてくださる存在でもあります。 

つまり、
お金=生活を支える報酬
感謝=心を支える報酬 

この両方を与えてくれる、ありがたい存在なのです。

 

だからこそ美容業界では、技術だけではなく、
「誰のために働くのか」
を伝える教育が必要なのだと思います。 

 

お客様は怖い存在ではなく、
自分の成長や働きがいを支えてくださる存在でもある。 

その感覚を育てること。
それこそが、これからの時代に求められる教育なのではないでしょうか。 

 


【前回】

‣【第0話】「働く」と「稼ぐ」は違う

【次回】

‣第2話 美容業界には、まだ“人”が残っている


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