袖触れ合うも他生(たしょう)の縁
という言葉がありますが、その“たしょう”という言葉には深い意味があります。
若い頃は『多少(たしょう)だから、少しの縁って大事にしろよって意味だろうな』と思っていたのですが、漢字で書くと“他生”であり、
つまり『袖触れ合う程度の事でも今世だけではない、前世や来世との繋がりだから大切にね』と解釈すべきなのです。
このように人との繋がり、すなわち「ご縁」はと不思議なものです。
私は元来どうしても、新しい出会いや関係を慎重に選び、吟味する傾向があります。
しかし、ご縁とは最初から吟味するものではなく、たくさんの点を打つことから始まると教えていただいたことがあります。
一見すると無関係に見える多くの出会いや関係が、時間とともにつながり、大きな意味を成すことがあります。
20代の頃にいただいたご縁が未だに続いていることもありますし、数年間ご連絡が途絶えていた方から連絡があり頻繁に会うようになることも。
このご縁の点を打つこと、つまり多くの人と出会い、関係を築くことは未来の可能性を広げます。
最初は些細な出会いや関わり合いであったとしても、それが線になり、さらには面のように広がる可能性を秘めています。
この線や面は人生を豊かにし、機会をもたらし、時には予期せぬ素晴らしい結果を引き寄せることがあります。
「線が増えると面になる」という考えは、人との関係を豊かにするためには、広く深く人とのつながりを持つことだと思います。
では、どのようにして多くの点を打ち、それを線や面に変えていくのでしょうか?
それは新しい出会いに積極的に関わり、人との関係を大切に育むことから始まります。
無駄な縁などないと考え、すべての出会いに価値を見出し、誠心誠意相手の役に立つ心を持って接することが大切です。
決して人のご縁に結果や損得勘定を持ち込んではいけません。
相手の方は自分の写し鏡ですから、自分が打算でお付き合いすると必ず打算で付き合う人しか残りません。
人生はご縁を通じて広がっていきますから、たくさんの点を打ち、それらが線となり、面のように広がることを楽しみましょう。
≪今日の心がけ≫
新しい出会いを自ら創りに行きましょう