2026年8月27日

第2章 第2話  美容室は“人”で利益構造が変わる 

なぜ教育型サロンの経営は苦しくなるのか?~それでも私たちは人を育てる~

【第2章】

序章 第0話~第3話こちら
第1章 第1話~第5話こちら

第1話  なぜ利益が残らないのか?
第2話  美容室は“人”で利益構造が変わる
第3話  「忙しいのに苦しい」サロンの共通点
第4話  生産性とは「効率」ではなく「価値」
第5話  「少ない人数で高い価値」を生む組織へ

美容室の利益構造を考えるうえで、避けて通れないのが「人」の存在です。 

美容室は、商品を仕入れて販売するだけの商売ではありません。
スタッフがお客様に技術や接客を提供することで売上が生まれます。

だから同じ月商400万円でも、
5人でつくる400万円と、7人でつくる400万円では、利益の残り方が大きく変わります。
 

 

例えば5人なら、一人あたりの売上高生産性は80万円。
7人なら約57万円です。

給与や社会保険など、一人増えるごとに人件費は増えるため、売上が同じなら当然、利益は少なくなります。 

 

だからといって、「人数は少ないほど良い」という話ではありません。 

教育型サロンでは、まだ十分な売上をつくれないアシスタントも必要です。
さらに今後、新しい店舗を出すという計画があるなら、将来そこで活躍する人を今から採用し、育てておく必要もあります。
 

 

つまり、今の売上だけを見れば余剰に見える人員にも、未来への先行投資という意味があるのです。 

 

一方で、その目的が曖昧なまま人が増え続けると、先行投資だったはずの余剰人員が、いつの間にか過剰人員に変わります。 

 

ここで難しいのは、人件費が増えることだけではありません。
人が多ければ、一人ひとりが担う仕事量は自然と少なくなります。

本来5人でつくれる売上を7人でつくる状態が長く続けば、その仕事量がスタッフにとっての「当たり前」になっていきます。 

 

そして退職や新規出店への異動で2人が抜け、5人に戻ったとき、経営側は「適正な人数に戻った」と考えていても、スタッフは「急に忙しくなった」「人が足りない」と感じるかもしれません。 

つまり美容室では、人数そのものではなく、「この店舗、この売上、この未来に対して、何人が適正なのか」を考える必要があります。 

 

大切なのは、人を減らすことでも、人を多く抱えることでもありません。
今の事業に必要な適正人数と、未来のために意図して持つ余剰人員を分けて考えることです。 

では、その適正人数の中で働くことが、ただ「忙しい」状態になってしまってはどうでしょうか。 

次回は、「忙しいのに苦しい」サロンで何が起きているのかを考えていきます。 

 


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