2022年3月28日

325話 税理士業界に物申す

この季節、個人事業主の方は確定申告、法人でも慣習的に3月決算が多いので

決算業務がピークを迎えますね。

僕は銀行を辞めた後に会計事務所に転職しました。

税理士になるほどお勉強ができるタイプでもないですから、

餅は餅屋で税務は税理士の先生にお任せして、僕はその事実を基にした

コンサルタントを志しました。

もう20年近く前の事ですから全く同じ物差しで見てはだめですが、

当時多くの会計事務所は『税理士を目指す間のお勉強の場』または

『お勉強してみたものの資格取得が困難で税理士の補助をしている』という方が

多く在籍していました。

 

僕自身は『税務は手段であって、税理士さんは正しく納税計算する事が使命。』という

考えでしたから、2年ほど経験を積んだのちに財務コンサルティングの会社を立ち上げました。

そういったキャリアから今でもお客様と税理士さんを橋渡しする機会は多いです。

基本的なスタンスは『餅は餅屋。税務は税理士。』なので極力税理士さんを立てて

自身の判断は伝えないようにしています。

というより税法に関して踏み込むと税理士法に触れますから、知ってても言わない事も多いです。

逆にそういったキャリアが邪魔をして、何も知らないコンサルさんが(なんちゃって)税務相談に

乗っているのを見ると『知らぬが仏だな~。』と思うことも。

 

税法も年々変わりますし、やはり専門家にお任せするのが一番です。

という前提で。

 

年明けから3月ころにかけて、僕たちがお客様に対して

『税理士さんに試算表を提出していただけるように言ってもらえますか?』

とお願いすると、中には『出してもらえませんでした。』という返答になる事も。

おおよそ予測はできているもののその理由を聞くと

『確定申告で忙しいらしいです。』

 

 

ここで気になるのは『税理士のいう事には逆らえない。』的な風潮です。

冷静に考えると、お金をお支払いしているのはこちら側であって、

契約時にも『毎月試算表を提出する』と謳われていることが大半なはず。

中にはかなりの低価格にしているがために、頻繁に試算表を作成いただく

契約になっていないケースもあるので注意も必要。

また業種によって繁忙期というものがあるのは理解できますが、

たった一言『確定申告で忙しいから。』で終わらせて良いものか?

ということ。

 

例えば美容室に予約時間に行ったのに何のお詫びもなく

『他のお客様で手が離せないので、また後日来てください。』って言いますか?

もし言われたならば(二度とそのお店には行かないという前提で)
『何で予約を受け入れたのですか?』となりますよね?

 

もちろんお仕事はお互い様ですし、相手を責める事が目的ではありません。

しかし健全なお取引をする為にも『この費用で請け負った仕事はどこまでの範囲を指しているのか?』は

もう少し明確にしても良いのでは?と思うことがありますね。