自分自身の強みが数字を使えることだとは分かっていますし、そのお陰で今もたくさんの方にお声がけいただけているのも理解しています。
ただ、自分の中でどうしても処理しきれないというか、腹落ちしていなかったものが『しょせん数字は結果であり、数字を追いかけるような経営は望ましくない』ということでした。
10年ほど前からはKI(Key Indicator)マネジメントという考え方を土台にし、数字の大切さを説いてきました。
しかしここ数年は掲げた数字目標を毎日のように唱和したり報告したりする手法が、自分の中でも嫌になってきました。
数字を追いかけ追わせるような経営は、多く経営者が望む『主体性のある社員』とは逆行していくからです。
とは言え数字を全く見ない事の弊害もあります。
Purpose経営という言葉がはやっているように、組織や企業の存在意義や目的が求められる時代です。
その存在目的を全うできているのかという答えは、数字が立証してくれるのも事実。
そんなこんなで迷走していたものがようやく自分なりの出口が見つかったのがこの数か月。
やはり自分の中での答えは【人財】でした。
何のために数字を追いかけるのか?何を目的に経営をするのか?
私たちは『働きがいの追求』が組織の存続・発展のカギであると考えています。
戦国時代の武将武田信玄は、人は城・石垣・堀であると説いています。
これは現代でも当てはまる事で、会社という目に見える物質はありません。
組織が成長するということは、そこに帰属する社員が成長するということです。
社員は人ですから心を持ちます。
だからこそ働きがいが大切なのです。
また、ここでいう“働く”というのは“稼ぐ”とは異なります。
現代社会において働く事と稼ぐことが混同されがちですが、本来の“働く”とは“他者に対して働きかける事”です。
困っている人がいれば手を差し伸べる。
多くの動物がそれを種の保存という本能で動きますし、知性を持った人間という動物は自分が弱い事を知っているからこそ他者に手を差し伸べます。
それは自分が生き残る最も最適な手段だからです。
私たちは、働きがいの創造をお手伝いする組織になりたいと考えています。
次回は働く事と成長について深堀してまいります。