2022年4月19日

332話 この石を取ろうと医師が言ったから(中編)

(前編から続く)

6年前の4月20日、僕は死にました。

 

6年前の年始から体調を崩しがちだった僕は、6年前の今日4月19日に

地元の病院で精密検査を受け、医師から『ご家族を呼んでください。』という

“例の”宣告をフレーズを耳にしました。

『え?それってどういうことですか?』

聞き返す僕にお医者さんが言いました。

『明日手術をさせていただきます。』

 

人間の体には石が蓄積されます。

思い起こせば社会人3年目の24歳のころにも一度怖い思いをしました。

帰宅してトイレへ行くと驚くほどの血尿が・・・。

その時住んでいた家の近くの病院へ救急で行ったのですが、お医者さんからは

『詳しくは分からないですが、癌かも・・・。』とのこと。

その時に『がん保険入ってたかな~。』なんて考えながら帰宅したことを覚えています。

結局翌日再検査で採尿の際、紙コップに『コロッ』って音がして結石が

出てきて事なきを得ました。

 

そこから何度か結石はできるものですから、ある程度慣れてはいますし、

『原因がわかりさえすれば怖くない。』と思うたちなので気にもならなくなりました。

ところが今回お医者さんから聞いたのは【胆石】でした。

胆石とは医と腸の間にある胆嚢(たんのう)にできる石の事で、結石とは全く異なります。

胆嚢では胆汁という油を分解する成分が分泌されるのですが、それが固まると

胆石になります。

きっと胆汁出し過ぎたんでしょうね~。

 

その胆石が大きくなりすぎて胆嚢と腸の間を塞いでしまい、胆汁が胆嚢から排出されずに

腐敗するリスクがあり、一番怖いのが胆石を排出した結果腸閉塞を起こしてしまう

可能性もあるとのこと。

『明日もセミナーがあるのですが・・・。』

という必死の抵抗もむなしくお医者さんから

『一生仕事ができなくなりますよ。』

とのことで緊急入院となりました。

 

バタバタと入院手続きを進める中で、一人のお医者さんが僕の部屋にやってきました。

『明日は全身麻酔となりますので、念書にサインをお願いします。』

内容を読んでいるとお医者さんが続けます。

『全身麻酔というのは全身の機能を全て麻痺させるので人工呼吸器をつける事になります。』

『通常危険性は低いものですが、町さんの体型の場合・・・。』

要約するとデブは喉に肉マフラーがまかれているため、呼吸器が外れるリスクがあるらしく

念書には『万が一のことがあっても自己責任。』的なことが書かれています。

 

『すみません、この万が一の場合何が起きるのですか?』

『脳に呼吸が行かなくなるので、後遺症が残るか最悪の場合は・・・。』

『そんな念書にサインしたくないのですが・・・?』

『サインがないと手術はできません。』

 

仕方なくサインはしたものの、気になって仕方ありません。

ネットで調べてみると『10万人に一人のリスク』と書かれていますが、

『10万人』が想像できず、再度ネットで『10万人』を調べます。

できたのは

長渕剛の10万人ライブ。

 

 

当時のニュースにこう書いていました。

『10万人のライブでは観客も遠すぎて長渕の顔が見えず。

ろくなもんじゃねぇ。』

 

 

『うまいこと言わんでええねん。』

と呟いて眠りにつきました。

(後編へ続く)