2023年4月28日

402話 誰かのために

映画などでたまに見かけるのが、自分の命を懸けて仲間の命を救うというシーン。

古くは鉄腕アトムに始まり(古すぎるか。人じゃないし)、アルマゲドンや(観てないけど)インディペンデンスデイ(観てないけど)などが有名です。

正直、自分に同じことができるかというと全く自信がない、というか絶対にできない。

でもこの様なシーンを見たり聞いたりして感動するというのは、人間の根底にある美徳なんだとか。

海外映画にもこのようなシーンが描かれているわけですから、日本独特の文化というわけでもないようです。

諸説ありなんですが、一説では単体で生きていくことのできない人間という生物独特の「仲間にしてもらえない=生きていけない」という本能が働いている、とも言われています。

いずれにせよ、人間の根底には「誰かの役に立ちたい」という欲求があることは間違いないのですが、それが強いか弱いのかは人それぞれ。

ただ私たちの組織は「誰かの為に」という気持ちを持った人たちの集まりでありたいと思っています。

 

 

若い頃に勤めていたコンサル会社の社長からの「切手はまっすぐ貼りなさい」という言葉は、20年経った今でも覚えています。

当時は総務の方に郵便物を提出する仕組みだったのですが、朝礼で「こんな歪んだ切手を貼るのはダメ」と言われて貼り直している同僚もいました。

私は手先が不器用ですから、苦労しながら切手を貼ったものです。

当時の社長は「切手を貼るということは何か想いを届けようとしてのことです。その想いをお伝えする手段として切手を貼るのであれば、そこに魂を込めて下さい」という持論でした。

ちなみに私は提出書類のフォントや罫線にこだわりを持っています。

「ここは太線がいいかな?」
「破線でも細かい方の破線だと出力した時に細い線に見えてしまうから、ちょっと荒めの方がいいかも?」
「この書類を見る◯◯さんは少し目が悪いから、文字サイズを12にしておこう。」
など。

なぜそんなにこだわるのかと言うと、その書類は必ず「誰かのために」作成するものだから、です。

仕事をしていく上で、相手のいない仕事はあり得ません。

書類一つ作るにしても、メール一件送るにしても、ただただ時間に追われて作業にするのではなく、相手の喜ぶ笑顔を想像しながら、少しにやけながら、楽しみたいものです。