銀行員時代、訪問先のお客様からよく野菜やおやつをいただくことがありました。
それを誇らしげに上司に報告すると、「そんなことより預金を集めてこい」と言われたことを思い出します。
上司曰く、「確かにそれは君への愛情表現かもしれないが、預金が他行に預けられているのであれば、君への愛情よりも他行を優先しているということだ」
納得。
企業においても同じことが言えます。
「社員への愛情は他社に負けない。ただ、お給料は低いだけ」という精神論では、社員の信頼を長くつなぎ止めることはできません。
愛情が重要であることは間違いありませんが、それを適正な対価として還元することが経営者の役割なのです。
社員の努力が適切に評価され、それが賃金という形で透明性をもって還元されることは、組織全体の信頼感とモチベーションを向上させます。
このためには、努力がどのように成果に結びつき、それがどのように賃金に反映されるかというプロセスを社員に理解してもらう必要があります。
つまり、「社員が努力する→お客様に喜んでいただく→お客様から適正な対価(売上)をお預かりする→社員に適正に還元する」というストーリーを描き、
それを組織全体で共有することが重要です。このストーリーに透明性を持たせることこそ、経営者に求められる責任と言えるでしょう。
自社の賃金制度が社員にとって納得できるストーリーになっているかを考えてみましょう。
*ハタパ・チャレンジとは、働くパフォーマンスを高めるための今日一日の目標です。