「ひな鳥は最初に見た大人の鳥を親だと思う」とよく言われます。
(この現象は「刷り込み」と呼ばれる動物行動学の事象で、実際に確認されています。)
人間にもこれと似たようなことが起こります。
赤ん坊の場合は目が見える頃には本当の親が面倒を見ていることが多いため、勘違いすることはほとんどありません。
しかし、そこからどのような大人と接していくかは、その後の人生に大きな影響を及ぼします。
私は性善説を掲げているわけではありませんので、大人になって苦労している方を見ると、それまで出会った大人たちの責任の重大さを感じます。
特に新卒で入った会社の上司が果たす役割は非常に大きいと実感しています。
社会人生活が始まるこのタイミングは、まさに「刷り込み」が行われるような重要な時期だからです。
私自身の経験を振り返ると、銀行員時代に最初にお世話になった上司の存在は、今の私の基盤になっていると断言できます。
その方が示してくださった姿勢や指導は、私のその後の働き方の土台となりました。
一方で、私が最初に上司となった新入社員たちを思い返すと、「もう少しこういうやり方ができたのではないか」と反省することも多々あります。
新卒社員にとって、上司がどのように接し、何を伝えるかは、その後の仕事観や人間関係に多大な影響を与えます。
情報が限られている新社会人にとって、上司の言葉や行動がすべての指針となることを考えると、その責任の重さを痛感します。
だからこそ、若手社員の成長を促す大人でありたいと、自戒を込めて日々努めています。
≪今日の心がけ≫
周囲の若手社員に、良い影響を与えられる行動を心がけましょう。