昨日に続き、企業管理者から寄せられる課題について考察します。
特に近年多い相談が以下の内容です。
1.給料や賞与では社員の動機づけが難しい。
2.挨拶や行動改善の指摘が受け入れられない。
3.「お客様のために」という言葉が響かない。
これらの背景にある次の要因として、親世代への依存度の高まりが挙げられます。
(前提として、全ての方がそういうわけではないという点はご了承ください)
50代以上の親世代のさらに親世代、つまり50代世代の祖父母にあたる世代は、戦争を経験しました。
祖父母世代の方々は、まず国を立て直し、次に子を育てることを最優先に生きてこられました。
その子である50代の親世代はバブル景気を経験し、比較的経済的な豊かさを享受した方が多いと言えます。
そして、現在の若者世代の親(つまり50代世代)はどうでしょうか?
高齢化社会が進む中で、バブルも経験した親に育てられ、自身も働き続けられる環境や経済的な余裕を持つ家庭が増えています。
この結果、若者にとっては「最悪の場合は親が助けてくれる」という意識が根付いてしまうことがあります。
例えば、転勤の可能性がある職場への志願者が減る背景には、親元を離れずに生活を支えてもらえる選択肢があることが関係しています。
このような意識が、職場における自己成長の希薄化や、最後の踏ん張りのなさにつながることもあります。
もちろん、すべての若者が親に依存しているわけではありません。
しかし社会全体としてこのような傾向がある以上、企業側も対応策を考えなければなりません。
若者に「自分の人生を切り開く力」を持たせるためには、働く意義を再認識させるとともに、自立心を促す仕組みが必要です。
≪今日の心がけ≫
若者の価値観を理解し、自立を促す支援を考えよう。