2024年10月3日

619話 なぜ人材育成が難しくなったのか?④

もう一つ、近年の若者の変化として強く感じるのが「自分はそうは思わない」という反応の多さです。

例えば、上司が「お客様はこうした方が喜ぶと思うよ」とアドバイスをしても、

返ってくるのは「そうですか?自分はそうは思わないです」という返答。

このような意見の違いは一つの見方として尊重するべきではありますが、まず必要なのは顧客理解ではないでしょうか。

 

お客様が自分の生活を支えてくれている存在であるという認識を持つことは重要です。

どの目線で物事を考えるか、その基本がしっかりしていないと、お客様に対するアプローチや提案が的外れになることもあります。

近年の学校教育でも「あなたらしさ」や「自分らしさ」を重視した教育が増えており、それ自体は決して悪いことではありません。

しかし、社会での役割や仕事においては、まず「人は一人で生きていけない」という前提に立ち返ることが大切です。

誰かの役に立つことで、自分のポジションが成り立つということを理解する必要があるのです。

 

多くの場面で「自分がどう感じるか」も大事ですが、それ以上にお客様のニーズや期待に応えるためには

「お客様がどう感じるか」をしっかりと考えることが求められます。

自分の目線だけでなく、相手の立場で物事を考え、相手が何を求めているのかを理解する力が、これからの人材育成において重要なポイントです。

 


≪今日の心がけ≫
自分の視点だけでなく、お客様の立場に立って考えることを意識しましょう。