前回の内容に加えて、今回は育成が難しくなった要因として、本人が育ってきた環境について考えてみたいと思います。
私が51歳になった今感じることの一つは、子どもの頃と比べて「不便さ」がなくなったことです。
例えば、喉が渇いたらすぐにペットボトルの水を買って飲むことができます。
私が子どもの頃は、水を「買う」なんて概念もなかったし、ペットボトルも普及していませんでした。
また、夜中にお腹が空いたらコンビニに行けば、いつでも何か食べられる。
このように、小さな頃から何の不便も感じずに育ってきた世代が、「不便さ」や「困る」という感覚を持つこと自体が
難しくなっているのではないかと思います。
そして、同時に何かに「感謝する」という感覚も薄れがちです。
ゲーム一つとっても同じことが言えます。
例えば、昔の『ドラクエ』では、迷宮に入ってしまうと何時間も脱出できず、泣きそうになりながら翌朝を迎えます。
そして登校して攻略本を持っている友達を探しに行く、なんて経験もありました。
しかし今では、インターネットで答えをすぐに調べられるため、苦労する経験がほとんどなくなってしまいました。
そういう背景で育った人たちが、社会に出たときに「お客様が困っていることに寄り添う」と言われても、
そもそも「困る経験」が少ないため、その感覚を持つこと自体が難しいと感じることも多いのではないでしょうか。
人材育成の難しさの一因は、こうした環境の違いにもあるのかもしれません。
≪今日の心がけ≫
お客様が何に困っているのか、相手の立場で考える時間を持ちましょう。