禅の言葉で「把放自在(はほうじざい)」という言葉があります。
これは、「握りしめたり手放したりすることを自由にできる」という意味です。
緊張と弛緩を自分でコントロールすることが、この言葉の核心にあります。
「何かをしたい」と思った瞬間、私たちは無意識に緊張を始めます。
これはほぼ本能に近い反応です。
しかし弛緩、つまり緩めることは、自分の意志で行わなければなりません。
もし、手のひらに色々なものを握り締め続けていると、次第に緊張が積み重なり、疲れ果ててしまいます。
なぜ、私たちは握り締めることに固執するのでしょうか?
その理由を考えてみることが大切です。
握り締めているものが、本当に必要なものなのか、あるいはもう手放しても良いものなのか。
手放すことは決して失敗や放棄ではなく、むしろ新しいことを始めるための余裕を生む行為です。
「把放自在」の心を持ち、必要な時に握り締め、必要な時に手放す。
このバランスが取れた時、私たちは心の自由を得ることができ、より健やかな状態で日々を過ごすことができるのではないでしょうか。
≪今日の心がけ≫
今日何かを手放すとすれば?を考えてみましょう