コロナがもたらしたものの一つに「決断」があるのかなと思います。
今までは何となく惰性でしていたことをよく考えて行動に移すようになった、という方も多いのではないでしょうか?
その結果、あらゆる業界が消費者の選別の波にさらされています。
一言で表現するならば、「価値の選別」が始まったわけですね。
いわゆる“中途半端な商品やサービス”ではなく、“徹底的に低価格という価値”を提供するか、“徹底的に付加価値が高くそれに伴って価格が高い”か、という構造。
人間には本来「中心化傾向」というものがあり、「迷ったら真ん中を選ぶ」という惰性があります。
これは決断する事には胆力を使うことと、一日で使える胆力は、体力と同じで限界があるからです。
しかし、コロナを通して見えてきたものは、「選ばないことの方がリスクが高い」ということでした。
「マスクをつけるのか付けないのか」
「出社するのかしないのか」
「外食するのか取り寄せるのか」
などなど。
つまり、消費者から惰性がなくなったわけです。
その選択をできないままに時間だけが過ぎ去っていった企業が、結果として倒産の憂き目にあったわけです。
先日、芸能界を引退した方が経営する飲食店閉店の話題をネットで見かけました。
閉店にあたって「コロナで遠のいた客足が戻らなかった」というコメントが少し気になりました。
「客足が戻らなかった」という事実に対して、「コロナで遠のいた」というのが原因だと思っておられるのであれば、経営者としては少し厳しいのかなと思います。
確かにコロナは競争原理を強化したことは間違いないですが、それでも選ばれるお店は生き残っています。
しっかりと本質的な原因(真因)と向き合い、どこに舵を切るのか…
“徹底的に低価格という価値”or“徹底的に付加価値が高くそれに伴って価格が高い”
高付加価値路線を選択したとしても、「低単価なものは販売しない」というわけではなく、時間あたりの提供価値をどこまで高めることができるかにこだわりましょう、という意味です。
一度、提供価値について考えてみることもいいかもしれません。