2022年3月9日

319話 痛みと快楽。時短と?

先日ある会社の社長と話をしていると『若い社員の伸び悩み』が話題になりました。

2000年前から『今どきの若者はという言葉はある』という前提での会話でした。

昔から自分たちも先輩方から『今どきの若者は仕事で成長しない』と言われてたんだろうな~。と。

ただ、一昔前と今で根本的に違うのは勤務時間。

 

恐らく20年前は月間で300時間労働なんて、ざらにあったと思います。

まずは土曜日が休みになったこと自体も1990年代になってから。

僕たちが学生の頃は土曜日も学校はありましたし、社会人になってから学生も土曜日が

『完全週休2日制』になったわけです。

 

ですから定時で帰っても週48時間労働だったわけで。

月換算で208時間。

そこに毎日のように3時間程度の残業はあったわけですからそれだけで月に78時間。

合計で月間286時間労働の出来上がり。

 

それが『たった30年』で原則170時間、上限が200時間になったわけです。

原則208時間だが、286時間働く事も一般的。

上限200時間だが、170時間が求められる。

 

これだけ社会が変わったわけですから、特に僕たちの世代、またはそれ以上の世代の方からすれば

思うところは色々とあると思います。

が、そこは『俺たちの頃は』と叫んでも『だから何十年も日本だけは変わらないんですよ。』と一蹴されて終わります。

 

ただ、もう一方で若い方々が考えなければならないのは、

『会社は300時間労働を170時間労働に圧縮させる仕組みやルールを創らないといけない義務がある。

が、あなた達は先人たちが月に300時間かけて積み上げてきた、お客さまや社会からの信頼を170時間で

積み増していく覚悟が必要だ。』ということ。

 

お給料は先人たちの努力で勝ち取った権利として最低労働賃金という考え方がありますから守られています。

労働時間も先人たちの努力で勝ちとった権利として守られています。

が、お客様からの信頼=売上高や粗利益は、今のあなた達が創らなければなりません。

 

労働時間は6割になりました。

でも初任給は年々上昇しています。

そこで売上や粗利益が6割になれば・・・。

会社が潰れるだけの話。

それを『企業努力が足りないからだ』と言っていて良いのでしょうか?

今は人材不足・人材の流動化の時代ですからそれで済むかもしれませんが、

いつか『働く所がないのは、あなたの努力が足りないからだ』と言われる時代になりそうですね。