2024年11月13日

646話 力なき正義

先日ある経営者の方に「働きがいをともにつくる」というプロジェクトについてお話ししました。

このプロジェクトでは、企業、若者、障害者支援施設、教育機関が交わる場を提供し、

広く社会全体のために働きがいを創造することを目指しています。

この取り組みは自社の利益追求を目的とせず、社会的価値を優先しています。

その経営者の方はプロジェクトの意図に共感してくださったものの、

最後に一言「力なき正義になってはいけませんね」と仰いました。

その言葉が重くのしかかります。

 

古くから「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉があります。

(学校の銅像でおなじみの二宮尊徳公が仰っていたことの言いかえだそうです)

どれほど理想的な活動であっても持続可能でなければ、それはただの理想に過ぎず社会に実質的な影響を与えることはできません。

これからの社会には、経済的価値と社会的価値を両立させ、相互に連携しながら成長させる視点が欠かせません。

フランスの哲学者パスカルが

「正義なき力は暴力であり、力なき正義は無力である」

と述べたように、社会のために良いことをしているつもりでも、力を伴わなければ実現できません。

私たちもその言葉を心に刻み、活動の実現性と持続可能性を重視しながら、社会に貢献できる形を追求していきたいと考えています。

 


 

≪今日の心がけ≫
実現可能な目標を持ち、継続する力を大切にしましょう。