先日、80歳の現役美容師の方のお話を聞く機会をいただきました。
その方が引用していたのが、千利休の言葉「稽古とは一より習い十を知り、十より帰るもとのその一」というものでした。
この言葉の意味は、「学びの始まりから終わりまで、一つの基本を習得し、それを深め続けることが大切だ」ということです。
稽古を続ける人が徐々に減ってきている職人業界において、この考え方は非常に重要です。
しかし、これは職人業界に限った話ではなく、すべての社会人にとって、稽古の精神は欠かせないものです。
稽古とは、基本を徹底して身につけ、それを何度も繰り返し行うことです。
これにより、技術や知識が深まり、自分のものとなります。
今はネットで様々な情報が溢れかえっていて、初めての事でも『少しだけ知った気になっている』状態からスタートします。
ですから実際に一度か二度何かをしただけで『分かった気になってしまう』というリスクがあるのです。
どの職業においても、基礎をしっかりと固め、それを継続的に磨き続けることが、真のプロフェッショナルへの道です。
私たちが日々の仕事で求められるのは、単なるスキルや知識の習得ではなく、それを継続して向上させることです。
日常業務の中で、基本に立ち返り、自己研鑽を続けることで、より高いレベルの仕事ができるようになります。
また、稽古の精神は、新しいことを学ぶ姿勢や挑戦する意欲にもつながります。
現状に満足せず、常に向上心を持ち続けることで、自己成長を遂げることができます。
この精神は、どのような職業でも重要であり、組織全体の成長にも貢献します。
稽古の大切さを忘れず、日々の業務に取り組むことで、私たちはより豊かな職業人生を築くことができるでしょう。
基本を大切にし、自己研鑽を続けましょう。