先日、ある会社の社員さんと面談の機会がありました。
その中で、「この仕事を通してどうなりたいとか、いわゆるVISIONのようなものはありますか?」と質問しました。
すると、その社員さんは「すみません、ないんです」と答えました。
私は純粋に「あるか、ないか」を聞きたかっただけなのですが、相手の方にとっては
「よくある年輩からの質問で、ないと答えるとVISIONを持つべきだという説教が始まる」
というリスクヘッジで謝ったのかなとも思います。
実際、私も昔は社員がVISIONを持つべきだという考えでしたが、最近はその考えが変わってきました。
過去の成長期を経験してきた人にとっては、成功イメージを持つことが当然であり、
これをしたらこうなるという未来が描けます。
しかし、低成長期においては、何をしても成功するイメージが湧かないことが多く、「描け」と言われても無理があるのです。
それよりも大切なことは、企業側がVISIONを描き、
その中で社員一人ひとりにどんな役割を任せたいのかを明確にすることです。
企業がしっかりとした未来像を示し、社員がその中でどのように貢献できるのかを理解することで、
働きがいを感じることができます。
企業のVISIONが明確であれば、社員もその中で自分の役割を見つけやすくなります。
これは、企業と社員の間に信頼関係を築くためにも重要です。
社員が自分の役割を理解し、企業のVISIONに共感することで、
組織全体が一丸となって目標に向かうことができます。
「じゃんけん出すなら会社が先」という考え方が、ここでのポイントです。
企業が先に手を出し、方向性を示すことで、社員がそれに応じて自分の手を出すことができるようになるのです。
これが、現代の低成長期における新しい働き方の一つの形だと感じています。
≪今日の心がけ≫
社員に聞く前に会社のVISIONを具体化しましょう