560話 社会保険の適用拡大が問うもの
社会保険に加入する要件が拡大され、かつては130万円の壁だったものが106万円にまで引き下げられることになりました。
さらに、この基準は一定規模の企業にのみ適用されていましたが、101人以上、51人以上と規模の要件も徐々に緩和され、
このままでは企業規模に関係なく適用されることが予想されます。
これは何を示しているのでしょうか。
実態がどうであれ、国が社会保障に割く財源が限られてきていることが背景にあります。
将来的にはすべての働く人が社会保険の加入対象になる可能性が高まっています。
社会保険の加入に対する考え方は人それぞれであり、正解はありません。
しかし、大切なのはこの変化が示していること、すなわち、
自分自身のキャリアや将来設計に一人一人が向き合う時代になったということです。
社会保険の適用拡大は、建前上は個々の負担が増える半面、将来の安心を得るための一歩でもあると謳われています。
例えば、老後の年金や医療費のサポートを考えると、社会保険の加入は長期的には安心材料となる、
というのが運営者である国の主張です。
しかしそれが確約されているわけではないことは国民の大半が気づている事であり、やはり自立を考えなければなりません。
また、この制度変更は企業にとっても大きな影響を及ぼします。
社員の社会保険加入が義務化されることで、企業はそのコストをどう賄うか、どのように経営戦略を見直すかが求められます。
これを機に、社員の働きがいや福利厚生と向き合い、企業全体の生産性向上を図ることが重要です。
社会保険の適用拡大は、自分自身の将来を真剣に考えるきっかけとなるでしょう。
これからの時代、働き方や生き方に対する意識を高め、自分にとって最適な選択をすることが求められますね。
≪今日の心がけ≫
自分のキャリアと将来設計に向き合いましょう。