昨年10月よりインボイス制度が導入されました。
ひとまず2026年9月までと、その後も2029年9月までは経過措置がありますが、この5年で色々と考えなければならないことは確定しました。
細かな制度は税理士さんにお聞きいただければと思いますが、少なくとも10%の消費税を
『購入する側か購入してもらう側が負担しなければならない』ことを決めなければならなくなりました。
ここで一番選択を迫られるのが、いわゆるフリーランスで働いている年商1000万円未満の事業主ですね。
更に具体的に言うと、美容師さんや大工の職人さんが該当します。
例えばある会社が社員ではなく業務委託事業主(美容師さんや大工さん)に年間で600万円支払っていたとします。
この場合、払う側の企業は540万円の外注費と60万円の消費税という扱いになりますから、決算処理の際には『60万円は既に消費税を納めている』という扱いになっていました。
逆に受け取る側の業務委託事業主は600万円の外注費をもらいますが、1000万円未満は消費税は非課税でしたから国からすれば『60万円を取り損ねている』という状態になっていたわけです。
ところが今回のインボイス制度の場合は、その考えが大きく変わります。
『1000万円の非課税制度を使い続けても良いけど、インボイスを発行できるのは消費税納税事業者だけだよ。』
という事になったわけです。
つまり、『消費税を納めなさいよ。じゃないとインボイスを発行できないよ!』ということ。
そこで業務委託事業主はこう思います。
『年間で60万円も税金納めるの、もったいなくない?インボイスを発行しなければ良いやん。』
(ちなみに丸々60万円の消費税納税ではありません)
そこで国はこう言います。
『インボイスを発行しなくて良いですよ。その場合、支払い側にその60万円を納めてもらいますので。』
と。
となると支払う側の気持ちとしては選別が始まります。
『同じ600万円を支払うなら、インボイスを発行している業務委託事業主に依頼をしよう。』
となりますよね?
イメージ的には『今まで600万円で依頼していた業務を、660万円支払ってでもお願いしたいと思ってもらえる先にしか発注しなくなる』という感じです。
ではサラリーマンには全く無関係なのかというと、そういうわけでもありません。
企業の発注担当者は当然こう思います。
『業務委託の費用が10%上がるリスクもあるな・・・。だったら誰に何を頼むのかをもう一度見直すか。』
≪今日の心がけ≫
インボイスの本格化が始まるまでに、10%の能力UPを目指しましょう。