前回、働きがいの創造が組織の存続・発展のカギであるとお伝えしました。
組織も人と同じように生きる・死ぬ・成長するという概念があります。
人間の欲求レベルと同じように、死にたくないという底辺欲求から始まり、成長し発展したいという欲求があるわけですね。
では組織が死ぬときとはどんな時なのでしょうか?
それは『必要とされなくなったとき』と考えられます。
ここが人間と異なるところで、少なくとも株式会社に限っては経済の発展と共に生まれてきた概念ですから、当然経済活動において必要かどうかが判断されると言えますね。
では組織が必要とされなくなる時とはどんな時なのでしょうか?
それは、社会に対して何の役割も見いだせなくなったときです。
裏を返せば、組織は社会に対して常に『私たちはどこに役割があるのか?』を探し続けなければなりません。
私達が学生の頃には画期的と言われていたポケベルを、未だに使い続けている人はいません。
私達が学生の頃にはひな形産業と呼ばれていた金融機関は、今では斜陽産業の一つと考えられています。
明日必要とされる役割は何なのか?
1年後にはどんなサービスが社会で求められるのか?
そういった意味で、組織の成長が社会の成長を下回ったときに、役割がなくなります。
役割がなくなるということは必要性がないわけですから倒産に追い込まれるわけですね。
では“組織”とは何か?
前回もお伝えした、武田信玄の言葉。
厳密に言うと『会社が成長する』という言葉は間違いです。
『会社に所属する社員が成長する』が正解なわけですね。
会社は社会に対して常に役割を見出し、昨日の自社より今日の自社が、社会にとって役に立てる方法を考えなければならない。
それと同じようにその会社で勤め続けるには、その会社の中で自分が役に立てそうな場面を見出し、その為の情報を収集し、昨日の自分よりも会社にとって役に立てる方法を考えなければならないわけですね。