2023年9月8日

414話 最低労働賃金と○○手当の意味

先日の報道でもあったように2030年半ばには最低労働賃金が1500円になる予定です。

10年ほど前に掲げられた1000円の目標に追いつくために、コロナの影響で1年だけ据え置いたのを除いては、概ね3%程度の上昇でその目標を達成しました。

今度は2023年度を目安にして40円UPを継続させれば、2035年頃には目標到達する計算になりますね。

 

何となく「1000円が1040円になった」というミクロの視点だとわかりにくいかもしれませんが、要するに10年後には初任給が30万円になる時代が来るということです。

これは労働者にとって良いことなのか良くない事なのかを考えると、私は「自分の能力をこの10年間で2倍にしてやっと働き続ける権利をもらえる」と解釈しています。

また、給料といっしょに振り込まれる手当も同様に、深く考えてみましょう。

 

私が銀行員の時に店長から言われた話です。

「町、銀行員って信頼が絶対に必要やから手当もそれに合わせてるって知っているか?」

当時の私はそんなことは考えたこともなかったのですが、その店長曰く・・・

「銀行員がお客様から一番不安に思われるのは、自分が預けたお金を持ち逃げされないかどうかということ。

だから、家族を持つ事で逃げられるリスクが減るから家族手当が付いている。

家を買ってしまえば逃げられるリスクが減るから住宅手当が付いている」と。

今となっては時代錯誤ですが、お給料や手当にはすべて意味がある、ということなのだと思います。

 

例えば、通勤旅費は「そのコストを負担してでもあなたに来てほしい」という会社からのメッセージ。

住宅手当があるのであれば「通勤時間を削減することで、自己研鑽に充ててほしい」という会社のメッセージ。

 

時代も変わり、○○手当は減ってきてはいますが、今一度給料明細を見てみるといいかもしれません。