2024年10月4日

620話 なぜ人材育成が難しくなったのか?⑤

今週はいくつかの角度から人材育成が難しくなった要因を見てきました。

 

まず、最も根本的な変化として挙げたのは「ハングリーさの欠如」です。

物欲や豊かさを目指していた時代は、努力や頑張りが報われると信じられていたため、

若者は上司の言葉に素直に耳を傾けました。

しかし、現代では物欲が減退し、若者の価値観も多様化しています。

こうした変化が、指導者の言葉が若者に届きにくくなった一因です。

 

次に、親世代の影響です。

現代の若者は、親世代がバブル期を経験していることもあり、ある程度の経済的なゆとりを感じています。

そのため、「いざとなったら親に頼れる」という意識が強くなり、必死に働かなければならないという

プレッシャーが少ない場合もあります。

これが、危機感や自立心の欠如につながることもあるでしょう。

 

また、今の若者は非常に快適な環境で育っています。

私たちが子ども時代に経験したような「不便さ」が少なく、困難に直面する機会が減っていることが、

問題解決能力や感謝の心を育みにくくしているのではないかと感じます。

情報も簡単に手に入る時代ですから、若者が努力して何かを得るという経験自体が少なくなっているのかもしれません。

 

さらに、教育の変化も影響しています。

「自分らしく」や「あなたらしさ」を重んじる教育が広まりましたが、これが強調されるあまり、

若者が他者に寄り添う姿勢や「誰かのために働く」という感覚を育てるのが難しくなっています。

自分の意見や考えを持つことは大切ですが、社会に出ればお客様や他者の視点を理解することが何より重要です。

 

この様に様々な要因が考えられる中で、自社の社員とどの様に向き合うのかを考える必要がありそうです。

 


≪今日の心がけ≫
自分の価値観だけでなく、他者の視点を意識し、相手に寄り添う姿勢を大切にしましょう。